Oliver Payne 彭奥礼
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Hong Kong
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Sevilleja v Marex Financial Ltd [2020] UKSC 31 (2020年7月15日) の件では、英国最高裁判所が、反射的損失の回復を禁止するルールは、債権者の請求については適用されないし、適用することができないことを全員一致で確認しました。
Marex Financial Ltd (Marex) は、英領バージン諸島で設立された2つの法人からなる債権者で (本BVI法人) 、Sevilleja氏に対して訴えを提起し、本BVI法人によって損失を被ったと主張しました。これは、本BVI法人が、判決に基づく債務を充足することを防ごうとするものであり、Marexのためになるものでした。Sevilleja氏は、Marexの損失は、単なる本BVI法人が被った反射的な損失に過ぎず、Marexの請求は、そのような損失を回復することを禁止するルールによって認容されないという主張を試みていました。英国最高裁判所は、Sevilleja氏の主張を退けて、これによってMarexの請求の手続を進めることを認めました。
しかし、裁判所の多数意見では、このルールは、株主による請求という狭いカテゴリーの範囲で適用され続けるということを確認しました。特に、株主による請求は、株式、または株主らに支払われるはずだった配当の価値の減少をもたらします。これは、被告が、会社に対する不法行為をした結果、損失を被ったことによるものです。
このような株主による請求は、以下のような場合でも引き続き禁止されます:
Lord Reedが説明したとおり、反射的損失を回復することを禁止するルールは、はじめに、Prudential Assurance Co Ltd v Newman Industries Ltd (No 2) [1982] Ch 204で確立しました。この意味とは:
しかし、Lord Reedは、Foss v Harbottleのルールは、会社と債権者の一人が、同一の損失について、同時に請求をする場合にも適用されるということは述べていません。同時に、Lord Reedは、このルールは、「この説明の核心的な箇所」であるとし、会社と株主を結びるける経済的な利益の一体性を承認しています。
Lord Reedは、更に、Prudentialの後の判断は、そのルールの基礎として二重の回復を防止する必要性を誤って強調していると述べ、それによって、ルールが債権者による請求を含めることが出来るように拡大するよう「地ならし」をしてきたと説明しました。Prudentialのルールの適用は、二重の回復を必然的に防止するものですが、この点はこのルールの基礎となる部分ではありませんでした。その理由として
Lord Reedは、債権者による請求によって二重の回復のリスクにさらされるということは、その事件の置かれた状況に応じて手続的に処理する問題であって、Prudentialのルールは、債権者の請求に対して適用されないということを述べました。裁判所の多数意見は、彼の意見に同調し、上訴が認められました。
裁判所の少数意見は、上訴が認められるべきだとする一方で、Prudentialの反射的な損失の原理は、「脆弱な基礎の上に組み立てられている」としました。そして、その原理は、事実に関する問題として会社が被った損失と別の損失を証明することが出来る株主との関係では、これ以上有効なものではないと判断しました。これは、債権者のみならず、株主との関係でもこの原理が侵食されつつあることを示唆します。
英国最高裁判所の判断は、オフショア法域において拘束的ではないものの、非常に説得力があるものです。この判断は、それゆえ、今まで請求が禁止されてきたと考えていた債権者が、第三者に対して請求をする機会を拡張するものです。株主は、依然として、反射的損失のルールに制約されますが、代替的な救済措置を検討することができます。このような救済措置として、状況が許せば、例えば、株主代表訴訟、不当な権利侵害の手続、または会社の公正かつ公平な清算の手続によることが考えられます。
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