Snapshot: bearer share companies in the British Virgin Islands (Japanese) ヴァージン諸島における無記名株式会社

オフショアにおける会社設立において、無記名株式会社という簡単なツールを利用して、会社の支配関係を秘匿することができた時代は、遠い昔になります。この時代では、支配関係は、会社の株券の物理的所持のみによって判断されていました。会社の透明性の促進およびホワイトカラー犯罪の撲滅を目的とする規制改革によって、ほとんどのオフショア法域では、無記名株式の仕組みが革新されました。BVIも例外ではありません。この改革は何年も前に実施されましたが、この改革に伴って発生した複雑な問題は依然として発生しており、しばしば高価値の財産が関係します。

2007年BVI事業会社法 (別紙の修正) 命令 (2007年BCA命令) は、無記名株式会社が有していた秘匿性を除去する一連の経過的な措置を導入し、実質上BVI法上の無記名株式会社を廃止する実際上の効果がありました。当該措置を以下説明します。

無記名株式会社のための経過的な措置

2004年BVI事業会社法 (BCA) 別紙2段落34Aでは、すべてのBVI法人の定款を法律上修正し、2009年12月31日 (移行日) 以降無記名株式の発行を禁止しました。このことは、BVIにおいて、無記名株式会社という概念を廃止する効果を持っています。したがって、無記名株式会社のオーナーは、移行日までに段落35に従って、次の2つのいずれかの措置をとる必要がありました。

  1. 会社の定款に基づいて、あらゆる無記名株式を登録株式に転換する、または
  2. すべての存在する無記名株式を登録されたカストディアンが保管する。この際、BCA71(1)条に従って承認されたフォームに基づく通知がなされ、この通知には無記名株式の受益者のフルネームおよび無記名株式の価値を保有するその他の者の名前が記載される。

「登録されたカストディアン」は、BVI金融委員会 (BVI FSC) によって、BCA50A条または50B条に基づいて承認された者です。この地位は、BVIにおいて一握りの信認サービス事業者が保持しています。

移行日までに上記のいずれか2つの措置を講じることができなかった無記名株式会社は、BVI法上、以下の制約に服します。

  1. 移行日までに転換または移管されていない無記名株式は、BCA68条および70条によって無効化されます。したがって、無記名株式は譲渡することができず、またはこれに基づいて投票することもできず、移行日以後、保有者は配当または分配を受けることもできません。
  2. これは、BCA別紙2段落37及び倒産法を根拠として、BVI FSCの申立てに基づく、当該会社に対する清算命令がなされるというリスクがあります。

移行日以後、ルールを守らなかった無記名株式会社に対する救済方法としては、どのような方法があるでしょうか?

オジエでは、無記名株式会社のオーナーが、2007年BCA命令に基づいて課された規制について気づかなかったか、またはBCA段落35によって求められていた方法を単に取らなかった場合をいくつか目にしてきました。この状況にある無記名株式会社においては、会社の事務を正常化して、BVI FSCによって会社が清算されるリスクを回避するには遅すぎることはありません。

Eastern Caribbean Court of Appealは、無記名株式を転換または登録されたカストディアンに対して移管していない無記名株式会社について、これを正常化する方法として次の措置があることを確認しました。[1]

  1. 無記名株式会社の取締役会は、無記名株式を払い戻し、BCA38(2)条に基づいて、移行日以後も登録株式に転換する権限を行使することができます。[2] これは、取締役会が機能している場合の簡単な方法であり、権限を行使する時間的な制約もありません。
  2. 取締役会が機能していない場合、BVIの裁判所は、エクイティ上の管財人を取締役会に対して任命する権限があります。この管財人は、会社の定款およびBCAに基づく取締役会の権限を行使することができ、株式の払い戻しと無記名株式の転換をすることができます。[3] BVIの裁判所にとってそのような命令を発令することは大抵の場合に公正かつ公平です。なぜなら、BVIの法律は、株式を含む資産の強制収用について補償を受ける憲法上の権利を付与しているからです。[4]

しかし、BVIの裁判所は、会社の株主名簿について、無効化された無記名株式のオーナーを登録された株主として変更を命じる権限を有していません。[5] BCA38(2)条の払い戻しと転換の手続きは、株主の地位を規律するメカニズムにすぎないように読めます。

解散によって複雑化した事案

このポジションは、ルールを守らなかった無記名株式会社が、自ら解散する場合、一層複雑になります。近時の裁判例では、Eastern Caribbean Supreme Courtが、解散した無記名株式会社の商業登記への再登録を拒否しました。この事案では、唯一の取締役であった法人それ自体も解散しており、移行日以前に株主がその無記名株式を転換または移管しませんでした。[6] 唯一の取締役がいなくなったので、無記名株式は無効になり、そして、会社は債権者もいないので、Jack判事は、会社に対して再登録の申立てをする当事者適格を誰も有しないと判示しました。

もし、取締役または債権者の地位を有する者が、解散したルールを守らなかった無記名株式会社に対して、申立てをした場合、BVIの裁判所は、Chinook Wind Allianceで裁判所が取った態度と別の態度を取るかどうか、注目する必要があります。

 


[1] The Bank of Nova Scotia Trust Company (Bahamas) Ltd v Registrar of Corporate Affairs (BVIHCVAP 9/2016, 10 October 2018, Mendes JA).

[2] Sempacher Foundation v Lark Services Inc. (BVIHC (COM) 27/2018, 17 January 2020, Farara J) at §§38-49.

[3] West Indies Associated States Supreme Court (Virgin Islands) Act, s.24(1).

[4] Virgin Islands Constitution Order 2007, ss.25 and 115.

[5] Net International Property Ltd v Adv. Eitan Erez (As Trustee in Bankruptcy for Rachel Sofer Sayag) (BVIHCMAP 10/2020, 22 February 2021, Webster JA) at §79.

[6] In re Chinook Wind Alliance Ltd (BVIHC (COM) 126/2020, 14 October 2020, Jack J).

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